題詠Blog2012 題詠100首百人一首 [題詠blog2012]
すでに題詠Blog2013が始まっており、本当に今更なのですが、
西中眞二郎さんの「題詠100首百人一首」に一首選んでいただきました。
ありがとうございました。
子供の頃のトランプゲームをイメージしてつくった一首です。
010:カード
(紫苑)カード引く指に力の籠もりきて幼なき目より笑ひ消へたり
西中眞二郎さんの「題詠100首百人一首」に一首選んでいただきました。
ありがとうございました。
子供の頃のトランプゲームをイメージしてつくった一首です。
010:カード
(紫苑)カード引く指に力の籠もりきて幼なき目より笑ひ消へたり
西中眞二郎さんに選歌をいただきました [題詠blog2012]
002:隣 里やまに春の隣りの近ければ梢を透かすひかりやはらぐ
010:カード カード引く指に力の籠もりきて幼なき目より笑ひ消へたり
011:揃 不揃ひの小鉢に似たり差し向かひ黙して過ぐすひと日の終はり
019:そっくり ひとの子とそつくりに鳴く野良一匹見捨てもならず餌を運びをり
025:触 触角に陽を滑らせつ黒き蛾のひた眠りをり夜を待ちつつ
028:脂 脂粉の香きみに移さじ午後の陽に傾(かたぶ)くまでの倫(のり)を保ちつ
029:座 うつし世に渡せる橋のなきを知る夜空にとほき白鳥星座
034:聞 胸板のうすきを指になぞりつつ聞き負ふことのかくも重かり
039:蹴 吹く風に紅き蹴出しのほの見えて春の川面にさざなみ渡る
041:喫 天井にひかりの反射ほの見えて喫水線に滲みくる蒼
042:稲 飛び起きて虚空を睨む猫の眸の奥に小さき稲妻はしる
043:輝 花びらのひとひら落つるその刹那ひづめるままに輝かむとす
046:犀 木犀のかをる夕べに抵抗と自由の詩を読みかへしつつ
051:囲 雪囲ひせし樹々の絵を添え来たる御文はつかに雪の匂ひす
053:渋 せはしなき人並みに取り残されぬ夜の渋谷のスクランブルに
054:武 棲まひせしひとも聞きけむ武相荘(ぶあいさう)を包める竹の群さやぎをり
056:晩 日の暮れておのれに向かふ時の欲し茜の空に晩鐘わたる
062:軸 ふたしかな思ひの軸は傾ぎゆきバレエ人形しづもりて止(や)む
065:酢 青き香をはなつ酢橘(すだち)を掌に包めばひと日華やぎにけり
070:芸 曲芸の美(は)しうつしよの混沌に一点うがつ錘の立ちたる
071:籠 亡き魂を偲んであはし灯籠の火影は海へ遠ざかりゆく
072:狭 蕗の薹ひとつ葉陰に出で初めてわが狭庭にも春おとづれぬ
074:無精 無精ひげ疎らなるまま午後ひと日憩へる君の喉仏見つ
075:溶 チェロの溶く乳色のもや流れゆき白鳥の影ゆうらりと立つ
078:査 皺みたる山査子(さんざし)の実の酸き甘き綯ひ交ぜにしてひそと食みをり
080:たわむれ たはむれか黄金(こがね)の雨に身を浸すダナエの眠り安けからまし
081:秋 抽斗の奥にねむれる秋扇(あきあふぎ)たき込めし香も聞こえずなりぬ
082:苔 薄ら日の斑を描きつる苔寺にいにしへびとの影行き交ひぬ
085:甲 甲高き喇叭は光る粒子おび丸天井のいただきに果つ
087:チャンス ほの消ゆるワン・モア・チャンス暮れ方の桜木町に靄たちこむる
090:舌 あやまちの舌に結べる桜桃の茎のしなりよ日の翳りけり
094:担 花籠を担(かた)ぐ乙女の背を追うて朝の風は小路をわたる
095:樹 菩提樹(ローレル)の乙女をうたふひとあれば思ひ遙けしカンツォニエーレ
097:尾 人波の絶へてひさしき夕ぐれに尾花をわたるはつ秋の風
099:趣 辛(から)き酒などふくみつつ歌詠めば身体(からだ)の芯に野趣よみがへる
去年に比べて恋愛詠、官能詠が多かったのですが
終わってみればさほど変わらない数を選歌いただきました。
ありがとうございました。
010:カード カード引く指に力の籠もりきて幼なき目より笑ひ消へたり
011:揃 不揃ひの小鉢に似たり差し向かひ黙して過ぐすひと日の終はり
019:そっくり ひとの子とそつくりに鳴く野良一匹見捨てもならず餌を運びをり
025:触 触角に陽を滑らせつ黒き蛾のひた眠りをり夜を待ちつつ
028:脂 脂粉の香きみに移さじ午後の陽に傾(かたぶ)くまでの倫(のり)を保ちつ
029:座 うつし世に渡せる橋のなきを知る夜空にとほき白鳥星座
034:聞 胸板のうすきを指になぞりつつ聞き負ふことのかくも重かり
039:蹴 吹く風に紅き蹴出しのほの見えて春の川面にさざなみ渡る
041:喫 天井にひかりの反射ほの見えて喫水線に滲みくる蒼
042:稲 飛び起きて虚空を睨む猫の眸の奥に小さき稲妻はしる
043:輝 花びらのひとひら落つるその刹那ひづめるままに輝かむとす
046:犀 木犀のかをる夕べに抵抗と自由の詩を読みかへしつつ
051:囲 雪囲ひせし樹々の絵を添え来たる御文はつかに雪の匂ひす
053:渋 せはしなき人並みに取り残されぬ夜の渋谷のスクランブルに
054:武 棲まひせしひとも聞きけむ武相荘(ぶあいさう)を包める竹の群さやぎをり
056:晩 日の暮れておのれに向かふ時の欲し茜の空に晩鐘わたる
062:軸 ふたしかな思ひの軸は傾ぎゆきバレエ人形しづもりて止(や)む
065:酢 青き香をはなつ酢橘(すだち)を掌に包めばひと日華やぎにけり
070:芸 曲芸の美(は)しうつしよの混沌に一点うがつ錘の立ちたる
071:籠 亡き魂を偲んであはし灯籠の火影は海へ遠ざかりゆく
072:狭 蕗の薹ひとつ葉陰に出で初めてわが狭庭にも春おとづれぬ
074:無精 無精ひげ疎らなるまま午後ひと日憩へる君の喉仏見つ
075:溶 チェロの溶く乳色のもや流れゆき白鳥の影ゆうらりと立つ
078:査 皺みたる山査子(さんざし)の実の酸き甘き綯ひ交ぜにしてひそと食みをり
080:たわむれ たはむれか黄金(こがね)の雨に身を浸すダナエの眠り安けからまし
081:秋 抽斗の奥にねむれる秋扇(あきあふぎ)たき込めし香も聞こえずなりぬ
082:苔 薄ら日の斑を描きつる苔寺にいにしへびとの影行き交ひぬ
085:甲 甲高き喇叭は光る粒子おび丸天井のいただきに果つ
087:チャンス ほの消ゆるワン・モア・チャンス暮れ方の桜木町に靄たちこむる
090:舌 あやまちの舌に結べる桜桃の茎のしなりよ日の翳りけり
094:担 花籠を担(かた)ぐ乙女の背を追うて朝の風は小路をわたる
095:樹 菩提樹(ローレル)の乙女をうたふひとあれば思ひ遙けしカンツォニエーレ
097:尾 人波の絶へてひさしき夕ぐれに尾花をわたるはつ秋の風
099:趣 辛(から)き酒などふくみつつ歌詠めば身体(からだ)の芯に野趣よみがへる
去年に比べて恋愛詠、官能詠が多かったのですが
終わってみればさほど変わらない数を選歌いただきました。
ありがとうございました。
065:酢(紫苑)再投稿 [題詠blog2012]
青き香をはなつ酢橘(すだち)を掌に包めばひと日華やぎにけり
夏見麦太朗さんに7首選んでいただきました [題詠blog2012]
夏見麦太郎さんのブログで、お気に入りの歌を
7首選んでいただきました。
☆印のついた歌が一番のお気に入りとのことです。
011:揃
不揃ひの小鉢に似たり差し向かひ黙して過ぐすひと日の終はり
018:希
希少とふ言ひ尽くされし飾りもて売らるるものをあはれとも思ふ
021:示
何ほどの啓示なるらむ開きたるページに染みのひとつありけり
044:ドライ
嬌声の遠ざかりけり過去(すぎゆき)に思ひ巡らすドライマティーニ
☆074:無精
無精ひげ疎らなるまま午後ひと日憩へる君の喉仏見つ
090:舌
あやまちの舌に結べる桜桃の茎のしなりよ日の翳りけり
097:尾
人波の絶へてひさしき夕ぐれに尾花をわたるはつ秋の風
「無精ひげ」が1番というのはちょっと驚きましたが(笑)、
麦太朗さんらしい選歌だと思いました。
ありがとうございました。
7首選んでいただきました。
☆印のついた歌が一番のお気に入りとのことです。
011:揃
不揃ひの小鉢に似たり差し向かひ黙して過ぐすひと日の終はり
018:希
希少とふ言ひ尽くされし飾りもて売らるるものをあはれとも思ふ
021:示
何ほどの啓示なるらむ開きたるページに染みのひとつありけり
044:ドライ
嬌声の遠ざかりけり過去(すぎゆき)に思ひ巡らすドライマティーニ
☆074:無精
無精ひげ疎らなるまま午後ひと日憩へる君の喉仏見つ
090:舌
あやまちの舌に結べる桜桃の茎のしなりよ日の翳りけり
097:尾
人波の絶へてひさしき夕ぐれに尾花をわたるはつ秋の風
「無精ひげ」が1番というのはちょっと驚きましたが(笑)、
麦太朗さんらしい選歌だと思いました。
ありがとうございました。
完走報告(紫苑) [題詠blog2012]
初日に課した一日五首というペースを守り、
ともかく完走いたしました。
初参加の去年は歌題をいかにうまく利用するかに終始しましたが、
今年はいわゆるきれいに詠むことを離れ、
身近に題材を取ること、極力詞書を避けることを課題にしました。
その結果、生活詠、恋愛詠、結婚詠、官能詠が大半を占めたのは
やむを得ないこととは思いますが、
具象や直喩が増えたのは今後の課題だと思います。
こちらで開催される題詠はスピードと歌の質の双方を
問われる場だと思いますが、
それについては苦手な歌題を飛ばせないこともあり、
今年も課題として残った感があります。
主催者の五十嵐さま、ご参加の皆さま、ありがとうございました。
ともかく完走いたしました。
初参加の去年は歌題をいかにうまく利用するかに終始しましたが、
今年はいわゆるきれいに詠むことを離れ、
身近に題材を取ること、極力詞書を避けることを課題にしました。
その結果、生活詠、恋愛詠、結婚詠、官能詠が大半を占めたのは
やむを得ないこととは思いますが、
具象や直喩が増えたのは今後の課題だと思います。
こちらで開催される題詠はスピードと歌の質の双方を
問われる場だと思いますが、
それについては苦手な歌題を飛ばせないこともあり、
今年も課題として残った感があります。
主催者の五十嵐さま、ご参加の皆さま、ありがとうございました。
099:趣(紫苑) [題詠blog2012]
辛(から)き酒などふくみつつ歌詠めば身体(からだ)の芯に野趣よみがへる
096:拭(紫苑) [題詠blog2012]
棘をもてよろふ継子(ままこ)の尻拭(しりぬぐひ)くれなゐ差すを誰の知りけむ