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題詠100★2024 ブログトップ
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題詠100★2024 寄り道コース [題詠100★2024]

2024-101:倫敦

運動の苦手のゆゑにほださるる倫敦塔より自転車日記

2024-102:巴里

とりどりのケフィアはためき連帯の声たからかに巴里の街角

2024-103:伯林

伯林の屋根裏ふかくあはれなる狂女は住まふ千年のとき

2024-104:維納

けざやかな夜会のをはり維納はリングトラムに雪ふりつもる

2024-105:北京

東門くぐれば北京飯店の金字まぶしく陽にかがやけり

2024-106:上海

見せかけの自由なりけり庭球にうつつ忘るる上海租界

2024-107:香港

香港の自由なきなり外つ国に指名手配のアグネス・チョウよ

2024-108:紐育

見返せる映画の舞台は紐育そびゆるツインビルの影見ゆ

2024-109:桑港

民主主義いづこにありや桑港に泣くらむ自由の女神

2024-110:聖林

強権にあらがひ立てば聖林スターもかぶる猫耳帽子

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題詠100★2024 091-100 [題詠100★2024]

2024-091:喪

「消滅の可能性たかき町」なればげにたびたびを取り出す喪服

2024-092:休日

出張の家人をおくる休日は家事くさぐさに追はれて過ぎぬ

2024-093:蜜

ベランダのペチュニアを訪ふ蜜蜂は花のありかを覚えゐるらん

2024-094:ニット

ぬばたまの黒きニットの目出し帽ことしも記者の命日めぐり来

2024-095:祈

たどたどと「乙女の祈り」聞こえ来るもくかうばらの枝垂るる庭に

2024-096:献

だだ漏れの企業献金ひたぶるにやつてる感を怨んでやまぬ

2024-097:たくさん

持てあましもうたくさんと箸を置くたびのゆふげは少なめがよし

2024-098:格

格子戸をあければらうたき雛壇のわれを迎ふる旧家の酒屋

2024-099:注

わたつみの核のけがれは注水のとまらぬかぎり永遠(とは)につづくか

2024-100:思

あらがひの焼身に思ふアーロン・ブシュネルとフランシーヌの系譜
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題詠100★2024 081-090 [題詠100★2024]

2024-081:蓮

つがひなすマルハナバチの見えかくれ蓮のうてなはたひらかにあり

2024-082:統一

南北の統一ねがひ幾十とせ川崎の地にハルモニ老いぬ

2024-083:楼

はつなつのリセンヌ小路をぶらぶらと変はらずにある霧笛楼はも

2024-084:脱

衣がへ終へしと思へば物かげにベスト一枚われ脱力す

2024-085:ブレーキ

旗日とやブレーキランプの連なりをテレビに見つつ家に過ぐしぬ

2024-086:冥

すめらぎに会ふは冥土の土産とや巡行にみる人のあれこれ

2024-087:華やか

藍染めのいろに潜める華やかさ浴衣の帯をきりりと結ぶ

2024-088:候

軒したに居候するつばめらは宝はこぶやこの賤の屋に

2024-089:亀

緑亀おほきくなれば厄介と呼ばれつつゐる夜店のプール

2024-090:苗

やうやくに「田植えがはじまりました」とふ五月の風に早苗の揺るる
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題詠100★2024 071-080 [題詠100★2024]

2024-071:材料

ありせばと悔やむ判断材料をあと出しで言ふ選挙特番

2024-072:没

うつしよに数奇な生(しやう)を生き切りてフジコ・ヘミングひそと没しぬ

2024-073:提

みせの名の夜目にもあかき提灯をつくりしひとはここで飲まずや

2024-074:うかつ

SNSうかつに上げし画像もて身元われたるレイシストあり

2024-075:埒

夏みかんひと刃入れれば放つ香は不埒と呼ばれし若き日のこと

2024-076:第

歌ひ手の減りつづければ立ちゆかぬ田舎の第九ことし終はんぬ

2024-077:オルガン

街角の楽師の手回しオルガンはげになつかしき曲をかなでつ

2024-078:杯

ぎやまんの杯たふれひと気なき広間の果てに刺客は消ゆる

2024-079:遺

遺されし携帯電話あけがたに死せるをみなの足跡を追ふ

2024-080:なかば

へうへうと罅も割れ目もそのままになかば泥(なづ)まぬことむつかしき
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題詠100★2024 061-070 [題詠100★2024]

2024-061:老

古書市によさげな本を見つけては老眼鏡を取り出だしたり

2024-062:嘘つき

己がなしし人権侵害そのものをなきこととする議員 嘘つき

2024-063:写

おにぎりを写真に撮りぬ毎秋はアフリカの子の給食のため

2024-064:素敵

日曜も早起きなれば真似できぬ「何食べ」にみる素敵ブランチ

2024-065:家

「離婚しづらい社会」唱うる議員ゐて「家」なる枷はどこまでつづく

2024-066:しかし

もしかして熱のありやと触れてみる子犬の鼻の乾きゐること

2024-067:許

ジェノサイド許すまじとふ学生ら逮捕されたり赤狩りのごと

2024-068:蓋

独り居の老いの常なり瓶詰めのトマトピューレの蓋が開かない

2024-069:ポテト

北日本さむさの夏のゆきしのち棚から消ゆるポテトチップス

2024-070:乱

宵闇にひびく太鼓の乱れ打ち山車のいきれにらふそく揺れる
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題詠100★2024 051-060 [題詠100★2024]

2024-051:齢

みづうみに沈む樹骸にあらがへぬ齢おもひつつ日は暮れにけり

2024-052:圧力

さげすみの揶揄と同調圧力はこの十年の置き土産とぞ

2024-053:柄

春ひと日破(や)れた柄杓に汲む水は徒労の生か彼岸おくつき

2024-054:朧

なにとなく気乗りせぬ夜の汁椀に朧昆布はうすくひろがる

2024-055:データ

完成稿データで出せと言はれつつ目見当なる作業はつづく

2024-056:紋

薄日さす庭に紋白よはよはと止まる垣根は展翅板に似て

2024-057:抑

民草にそぞろ広がる抑うつはかよわき者を標的となす

2024-058:反対

まさごなす数をたのみの理不尽に反対もまた対案である

2024-059:稿

呻吟といふ名で無為に日を過ごし歌稿しめきり目の前となる

2024-060:ユーロ

その叫びユーロヴィジョンに聞きしより今いくたりのステファニア増ゆる
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題詠100★2024 041-050 [題詠100★2024]

2024-041:田畑

歳ふるに継ぐものをらず田畑を保つてゆけぬ老いあまたなり

2024-042:耐

デマゴーグ民あふることあまつさへ「耐へられるDV」などと言ふ

2024-043:虫

年ごとに虫ふゆること十年まへ塩をかぶりし大地はつなつ

2024-044:やきもち

あまからだ磯辺巻きだとかしましく正月あけのやきもち談義

2024-045:桁

いくとせもいぢめ見過ごすヨコハマの橋桁のうへ天使はをらず 

2024-046:翻訳

「ぎゅっとして」ミャウリンガルは翻訳す耳あたりよきヒトのことばに

2024-047:接

いふなれば点のつらなり梁をゆく猫の足(あ)うらの接地面積

2024-048:紐

捨つるべき書類雑誌に紐をかけ来しかたおもふ引つ越しのとき

2024-049:コロナ

浮かれ立つ連休の辺にひつそりとコロナの死者はかくされてをり

2024-050:倍

加速するスタグフレーションいまはなき所得倍増ゆめのまにまに


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題詠100★2024 031-040 [題詠100★2024]

2024-031:けじめ

ゼロ打ちに与党ゆ党の全敗すけぢめなき世の一石として

2024-032:織

文豪の旧居なりけり春風にゴブラン織りのカーテンゆれる

2024-033:制

なりすましネットの虚実なひまぜに規制のがるるヘイトスピーチ

2024-034:感想

エゴサーチなしたる著者に届かばやコミュニティサイトに感想を書く

2024-035:台

式台のなくば通るに高すぎる上がり框は関所さながら

2024-036:拙

言ひ訳の稚拙なることあさなさな派閥のさまを秘す五人衆

2024-037:ゴジラ

水爆の落とし子なりき地震ふるにひときは迫る原子のゴジラ

2024-038:点

道ばたに猫のあしあと点描ははるかつらなり交線となる

2024-039:セブン

権謀と駆け引きになるジーセブン今度は何をむしられるやら

2024-040:罪

日あし延ぶ午後をねころびとつおいつ罪なき罪のアンチテーゼは
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題詠100★2024 021-030 [題詠100★2024]

2024-021:腰

その裏で舌を出ししか腰ひくく笑顔ふりまく選挙のてまへ

2024-022:シェア

言ひかへは砂糖ごろもに包まれてライドシェアとは白タクのこと

2024-023:曳

曳き山にえがく武者絵をあれこれと地のをとこらは祭りのはなし

2024-024:裏側

らうたけたあふみをんなの裏側に鑿あとひとつ愛執のごと

2024-025:散

あたらしき戦前である教科書に散華あがむる国のあとさき

2024-026:頁

頁(おほがひ)にもたれるやうな夕まぐれ甲東の文字わづかにかしぐ

2024-027:おでん

席たてばまたおでんせとひとの言ふこの地に住みて半年すぎぬ

2024-028:辞

為政者の辞書に辞任の文字はなく居座れること岩のごとしも

2024-029:金曜

読みかへすふるき週刊金曜日アベノミクスのすゑ憂へけり

2024-030:丈

身の丈にあはぬ書物を買ひこめば積ん読の山ふくるるばかり
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題詠100★2024 011-020 [題詠100★2024]

2024-011:記

ガザの地のなべての死者はのちの世の戒めにあれ記録と記憶

2024-012:ショック

家ぬちでヒートショックの起こらぬは地震(なゐ)ふる後に直せし閑所

2024-013:屈

靴ひもを結ばんとして屈むればことし最初のたんぽぽ咲きぬ

2024-014:外国

まなかひに差別の見えぬ鄙にあれど外国籍の実習生おほし

2024-015:見

一介の私見を崇めたてまつる流行りメディアの眼力や如何

2024-016:叡

原発は叡知にあるか地震(なゐ)おほき地に危ふきは志賀のみならず

2024-017:いとこ

よいとこと皆の言ひけりさりながら陸奥にきびしきはじめての冬

2024-018:窮

まいにちを窮(きは)むる民の並むほどに光る都庁のライトアップは

2024-019:高

高台に道標のあるその町は過去のおしへに洪水(みづ)を逃れき

2024-020:夢中

あけがたに殺さるる夢中ぞらに薄月の眼は我をみてゐる
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