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題詠100★2021 031~040 [題詠100★2021]

2021-031:主

あの日から十年を経るも主なき家に生計(たつき)の匂ひのこれる

2021-032:恒

地の果てに何を見しかはひとの世のなべてをつつむ恒河(ごうが)のほとり

2021-033:多分

三日目も多分いけると独り居に鍋の底ひの菜をあたたむ

2021-034:信

読み分けて信おくことのむつかしさ内にも外にもQあまたなり

2021-035:替

爆弾のやうな一語を替へるとき歌はたちまち生気をなくす

2021-036:裁

うはずみはつねに美(うま)しきそらみつやまとの国に自裁のおほし

2021-037:送

勝ち取りしデモクラシーの羨しかり米国の友にふみ送るとき

2021-038:反

ものいへばこだまのごとく反日と呼ばるることの常とはなりぬ

2021-039:憶

あの年の記憶はときによみがへる声なく叫(おら)ぶ悪夢のうちに
 
2021-040:コミック

うつしよはコミックを超えかしのみのひとり飯なと流行りとなりぬ
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