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ナイル2020年11月号掲載歌【雲となるまで】 [ナイル短歌工房]

餌をねだる燕の子らのひしめけばいつに変はらぬ夏これにあり

ひたひたと荒れ野に水の染むごとくあひみたがひの民草の風

くれなゐのカンナが天気図を燃やすはげしき夏にわたしの不在

空白の夏に真昼のたゆたひは合歓の吐息の雲となるまで

ひとけなき午後の路傍の白壁にあきつの影の軌跡まぼろし


*冊子は5首目に誤植があります。

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