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折句「青い薔薇」 [文学・童話]

秋のうみ帯よりはなれ息づける薔薇のいのちは落日に燃ゆ

   LES_ROSES_DE_SAADI.JPG

この歌は、デボルド・ヴァルモールの 「サアヂの薔薇」という
詩を下敷きにして作ったものです。

「サアヂ」は13世紀ペルシア「薔薇園」の詩人
サーディのことです。

この詩を知ったのは中学生の頃でしたが、とても美しい詩なので
内容などなにも分からぬままに覚え込み
今に至っています。


サアヂの薔薇        デボルド・ヴァルモール

この朝(あした)君に薔薇(そうび)を捧げんと思ひたちしを、
摘みしはなむすべる帯にいとあまた挿み(はさみ)入るれば
張りつめし結び目これを抑ふるにすべなかりけり。

結び目は破れほどけぬ。薔薇の花、風のまにまに
飛び散らひ、海原めざしことごとく去つて還らず。
忽ちにうしほに泛び(うかび)漂いて、行手は知らね。

波、ために紅に染み、燃ゆるかと怪しまれけり。
今宵なほ、わが衣(きぬ)、あげて移り香をこめてぞくゆる……
吸ひ給へ、いざわが身より、芳はしき(かぐはしき)花の思い出

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