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ナイル10月号掲載歌【てふてふの骨】 [ナイル短歌工房]

降りしきる雨に捲かれてさしむかふ黙のあはひに夜は夜なの

ただひとつ形をさだめ置かれると魔法のわたし靴はからだを

あるは濃くあるはかすれて空白の鏡ゆ生れぬひかりの闇は

足ゆびに摘むひとひらのてふてふの骨をもちたる花のむらさき

こはれては生まれかはりの刻である午前零時にあはす鏡は

「声をたててはいけない」ささやきのよせてはかへす さみだれ

照り映ゆる白の白さかまひるまを意思喪失のアンドロギュノス

きはまれる白のあとさきものいはぬ猫のやさしく眠るゆふぐれ

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