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西中眞二郎さまに選歌をいただきました [題詠blog2014]

例年のことながら、題詠ブログに詳細に目を通しておられる
西中眞二郎さまから選歌をいただきました。
ありがとうございました。


002:飲 くれなゐにけぶる夕べを目にいだき飲みたる酒はほのかにあまし

020:央 夜のあひを中央線のわたるとき落日はそのいろを増したり

027:炎 くちなはの舌にやあらむ真夜ふかくねむれる街を炎の染むる

031:栗 みそかごとひとつ生まれぬ宵闇に匂ひまされる栗花のした

033:連絡 人影の絶えてひさしき玻璃まどの連絡通路に月光の棲む

035:因 風媒花いくつ散りかふ夏さかりわれ放埓の因子もちたり

045:桑 うらなりの桑のみのりの酸きを食む音なき街に午後の陽あはし

047:持 くちびるはゆるさぬといふ矜持あり仇恋おほきをんなと呼ばれ

049:岬 潮騒の香のちかぢかと匂ひきて吾を待つひとは岬のむかう

061:倉 冬ひと日うたのこころを生徒らに説きし老師の鎌倉に病む

067:手帳 次はいつと小声に聞けば無造作に手帳をたぐる指さきにくし

070:しっとり 春の雨しばしふふめばしつとりと鉢土の黒いやまさりゆく

075:盆 途切れたる会話におとす目のさきに盆の朱いろのわづかに深む

086:魅 魑魅魍魎めきたるボッシュの群衆のいづれかひとり我にやあらむ

090:布 海の辺をそぞろ歩けばうちひさす宮古上布に風のたはぶる

097:陽 風の手の雲をぬぐへば水底を透かしてあはき陽のさし入りぬ

099:観 ゆつくりと夢のつづきを引きずつて地にとまりをり大観覧車

100:最後 ことのはを持ちえぬままによをふりし最後のばらのひそやかに落つ


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