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2019-089:麺 [題詠100★2019]

固くなりかかつた麺麭におやゆびを差し込む午後のしはぶきひとつ
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2019-088:喩 [題詠100★2019]

静もれるうつぼかづらは身のうちに隠喩のごとき耳を持ちをり
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2019-087:豊 [題詠100★2019]

豊後梅ほのかな黄(きい)にかはりつつ処女散らすがにもがるるを待つ
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2019-086:給料 [題詠100★2019]

うるほふは友達ばかり敷島のやまとを統ぶる給料泥棒
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2019-085:跳 [題詠100★2019]

百年をなほも跳梁跋扈する影の重さか国かたぶきぬ
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2019-084:郵 [題詠100★2019]

猫あまた描きしカードはわが好み知りたる友の航空郵便
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2019-083:風呂 [題詠100★2019]

やうやくに足袋ぬぎしのち大判の風呂敷に解く紐のいろいろ
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2019-082:米 [題詠100★2019]

「お米つて温いんやで」と声のする昭和のいろはモノクロ写真
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2019-081:暮 [題詠100★2019]

秋の陽はつるべ落としの暮れ方に似合ふフォーレとホットミルクは
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2019-080:センチ [題詠100★2019]

誘引を拒むともなく自立する百年を経てニュー・センチュリー
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