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2016年の自選五首を呟く [twitter]

差しかはすこゑの芽ぐみよ 凍てかへる今宵を吸うて白蓮の降る
(「ナイル」2016年6月号)

国旗・国歌、踏み絵となさむ烈風をパンクロックに歌へ『君が代』
(「ナイル」2016年7月号、題詠100★2016「68:国歌」)

その子二十歳ゆめ多からむかぎろひの春はおぐらき路傍に絶たる
(本歌:その子二十歳櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな(与謝野晶子))
(「ナイル」2016年9月号。沖縄を詠んだ連作から)

「声をたててはいけない」ささやきのよせてはかへす さみだれ
(「現代短歌新聞」2016年9月号)

ゆふがすみかひなのうちのつかのまの眠りの息の夕なぎのこと
(『梧葉』第51号(2016年秋号))



ツイッターのハッシュタグ企画に参加しました。
今年は、初めて結社誌以外の媒体に掲載された年でした(投稿でなく)。
沖縄の連作はどうしても入れたかったのですが、
ツイッターにおられるのは短歌クラスタの方ばかりではないので、
一番分かりやすいものを選びました。

いてうた2016 [twitter]

射手座のTwitter短歌企画 #いてうた の折本歌集
『いてうた2016』に参加しました。

同じ射手座生まれの、結社の先輩をお誘いしました。

射手座の歌人20人、50首の折本です。
企画、デザイン、発行を一手に引き受けてくださっている
泳二さんに感謝。
シンプルですてきな仕上がりです。

12月11日までネットプリントできますので、
興味のある方はぜひプリントしてみてください。

セブンイレブン:30725776
それ以外コンビニ:LJEH9PP47Q
A3白黒1枚・20円 12/11まで


しめやかに声はとぎれてぬばたまの宇宙の塵の降りきたり いま

吹き降りの夜になづめばいちまいの空ちりぢりに溺れる魚(いお)は


iteuta.jpg

都庁から出すな自死者は [twitter]

ツイッターにこのような投稿が載った。

tocho.jpg

リツイートなさったのは、ほとんど、いわゆる短歌クラスタとは関わりのない方々だった。


この投稿について、先輩歌人と話をした。


これは短歌と言うしかないが、短歌としての言語の表出はどうか。

そこを認識してもなお。

選者はかねて、機会詠の重要性に言及している。短歌シンポにおいて。

詠み手はもちろん、選者がその立場、影響力を認識している。
その立場において、動いている。

目にした以上、見過ごすことはできない。


その認識で一致したことをうれしく思う。


都庁から出すな自死者は 願わくば洗い浚いをぶちまけて欲し 寺下吉則

SUVACO [twitter]

嶋田さくらこさん×たえなかすずさん企画の『SUVACO』、
題詠「たま」に参加しました。

相聞、おふたりの連作、ゲスト連作、エッセイなど盛りだくさん。
詳細はこちら。

『SUVACO』ができました!


音の満ち、潮(うしお)ひく波空白は紺青のこと、たまかぎる今(岡田濫)

たまきはる夜のうつつの風ふかくまさぐる雲の片端 五彩(紫苑)


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短詩の風2016 [twitter]

ツイッターで泳二さん(@Ejshimada)が開催してくださった
「短詩の風」に参加しました。


【告知】今年も『短詩の風2016』を開催します。
2月20日(土)22時30分、一斉に短詩をツイートしようという企画です。
短歌、俳句、都々逸、散文詩なんでも構いません。
ハッシュタグ #短詩の風 をつけてツイートしてください。
詳しくは http://swim2nd.exblog.jp/24947752/


タイムラインに、春一番が吹きました。

その晩のうちに、まとめてくださっています。

まとめサイト「短詩の風 2016



移ろひをうつろふなかれ七十年(ななそとせ)いくさに絶ゆるいのちなきこと

子のほほに卍書きたる指さきをしたたるごとく爪紅のいろ


二首めは後で、ナイルの大先輩に添削していただきました。

子のほほに卍書きたる指さきにしたたるごとし爪紅のいろ

スパイス短歌 [twitter]

【フェヌグリーク】

この味もいいよと言われはんぶんの皿にちいさな種をそだてる

【クローブ】

口べたな蕾のままでいいですか。今夜だれかに食べられるまで

【ターメリック】

ゆく夏を皿いっぱいにせきとめて、いま、一面のひまわりばたけ

【パクチー】

食べられぬというひとことに諍いのきざしがつのる 煮詰まっている

【紫蘇】

むしあつき夜の会話はとぎれつつこいむらさきの迷路をわたる



とみいえひろこさん主催の「スパイス短歌」に参加しました。
カレーに使うスパイスのイメージで歌を詠む催しです。

いろいろなスパイスがあり、楽しかったです。
フェヌグリークは知らなかったので、調べました。

ネットプリントで皆さんの歌を読みながら、個性的だなーと思ったり。
意外だったのは、スパイス名を詠み込んだ歌が
予想より多かったことです。必須ではなかったのですが。

スパイス名は長いのが多いので文字数を取られますし、
イメージが限定されるので、私は詠み込めませんでした。

みずつき4【真夜ふかくからだを浸す……】 [twitter]

ツイッターで千原こはぎさんが主催された「みずつき4」に参加しました。


まなかひに拡ごりゆけるみづうみの裡にさがさむ我のたまゆら

ひさかたの雨のそぼ降る夜の更けてあをき花脣のなづきに揺るる

ともすれば散らばふ夜の花茎ゆしたたる水を受くるてのひら

しろたへの砂のことのは 液体はつかれた皮膚をやさしくおかす

雨音のはつかに聞こゆにはたづみ真夜の川面にわたしのこゑを

答へのみあふるるばかり電脳のうみに分け入りひろふ花貝

R-2ぐらんぷり [twitter]

掲載がたいへん遅くなりましたが、
3月20日~25日開催のR-2ぐらんぷりに参加しました。

概要:連歌の花道で最高の二人を決めるグランプリです
資格:二人一組でエントリーができる方ならどなたでも
募集:短歌一首(及び投票と選評に参加必須です)
日程:3月20日~25日(詳細は下記)
会場:utanohi.ever.jp/renga/page.php?id=56月の歌会HPから転載)

ツイッターに知り合いがあまり多くなく、ペアを組んだ経験もなかったので
二の足を踏んでいたところ、中牧正太さんにお誘いいただきました。

即座にお受けしました。ちょっと冒険をしたく思っていたのです。

私達の場合は、私がまず上の句を3首つくって中牧さんに送り、
中牧さんが下の句をつけてくださいました。

まったく相談することもなく、ふたりとも「これ!」状態で
手直しもせずに提出しました。

結果は思いがけず、31組中、5席というよい成績をいただきました。

下の句に惹かれたというコメントが多かったので、中牧さんのおかげですね。

口語詠みの中牧さんとのペアということで、新仮名遣いで詠んだのも新鮮でした。

声をかけてくださった中牧さん、点と短評をくださった皆さま、
ありがとうございました。


たおやかな月がふたりを覆うのに今日は昨日になぜなるのです(紫苑+中牧正太さん)

色彩の子ども 【常若の国】 ~ 黒紅 [twitter]

玉の緒のうつつにあらず―暮れなづむ空をかがよふうすくれなゐの

ゆふづつの化身にやある眉月をしたたる音のはつかひびきぬ

うつそみの闇に染むれば照り映ゆる月を今宵の兄世(いろせ)とも見む

ぬばたまのこくえうせきのことのはのへりをしなぞるゆびのニルヴァナ

仮初めにあらざればなほ―目をそらす。絶たなむ熱の、ままならぬまま。

たかしるや天使のらつぱ堕つるべしこよひは月も出ぬさうな

まなうらに揺れゐる薔薇のいろ冴えてティル・ナ・ノーグへつづく雨音

大人短歌計画その後 [twitter]

総勢81名が参加した「大人短歌計画」は、その後
読む短歌/聞く短歌に発展し、
「大人短歌朗読計画」には代読も含め
かなりの方が参加なさったようです。

新聞にも取り上げられたそうですが、
地方紙のため私が本紙を購読しておらず、
ウェブに登録できないため読めませんでした。

オトナですか? (10)短歌/もっと自由になりたい

そしてこのたび、冊子化にあたり
「エトランジュ」と題して相聞が募集されています。

当初、参加はしないつもりでした。
Twitterの歌人さんはたいてい何となくペアがありますしね。

でも、ふと思いつき、勇を鼓してネットの外の方をお誘いしました。
驚いたことにすんなり公開を承諾していただき、感謝しています。
今まで詠んだ歌のなかから相互にインスパイアされたものを集め、
括りの二首を加えて、ちょっと変わった相聞ができました。

ふる三年ときとところを隔てつつ詠みきし歌ゆあひきこえ編む