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ケセン語を聞く [歌誌月光]

ここからが旅のはじまり伝承館と一本松の地におりたちぬ

ひしやげたる消防車あり殉職のおほきをおもふあの日の午後は

「地のひとの無理には見ざれ」ふるさとは今なほ癒えぬかさぶたを持つ

町ひとつ流されしとふ戻るひとなき地まばらに草生ふる見ゆ

なにとなく言葉すくなは群れ咲ける藤のなだりに小雨そぼ降る

黄ばみたる原稿用紙を並べ替へ編みなほしては星座のかなた

そも何を業といひしかうつし世は生き別れたるカムパネルラに

さまざまの貌をもちたりてつちやんと呼ばれし画家の一九一二

珈琲の香のただよへる蔵ぬちに向かうて過ぐす午後やはらかし

まひるまはオシラサマ顕つ暗がりにあの世この世の思惟のおぼろげ

遠野産わさびの文字に購ひしアイスひとくち日ざかりの午後

まなかひに海はひらけて見せたしと友の言なる景ここにあり

空に伸ぶるうすあをの手ははてしなく防潮堤のタイルアートに

地の魚の活きを勧むるキャッセンのあるじにとほきケセン語を聞く

Y字路の果たては見えずドライブに三日聞きたりZero Landmine

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