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30DayVerseChallenge [twitter]

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DAY1 色名の入った歌

ダアリアの花園をゆくうつしみの人影は黒きころもを着たる(小池光)

DAY2 数字の入った歌

観覧車は二粒ずつの豆の莢春たかき陽に触れては透けり(杉﨑恒夫)

DAY3 夏を思い出させる歌

向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ(前田夕暮)

DAY4 忘れたい人を思い出させる歌

わが息を芙蓉の風にたとへますな十三絃をひと息に切る(山川登美子)

DAY5 大声で叫びたくなる歌

太陽に酔いしばかりにアルチュール・ランボー日傘おれの不条理(福島泰樹)

DAY6 踊りたくなる歌

日の射さぬ地下スタジオの群舞にもアンダルシアの風吹き渡る(松村由利子)

DAY7 ドライブの歌

ニール・セダカの破れ目多き若き声聴きつつ愛車は木曽川を越ゆ(栗木京子)

DAY8 ドラッグかお酒の歌

少女言ふこの人なりき酒甕(さかがめ)に凭(よ)りて眠るを常なりしひと(吉井勇)

DAY9 幸せな気分になる歌

白い手紙がとどいて明日は春となるうすいがらすも磨いて待たう(斎藤史)

DAY10 悲しい気分になる歌

廃港は霧ひたひたと流れよるこよひ幾たり目かのオフェリア(塚本邦雄)

DAY11 決して飽きない歌

ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく(石川啄木)

DAY12 プレティーン(9~12歳)の歌

三人の弟妹を持つ少女来て我に小さく甘えて帰る(俵万智)

DAY13 70年代の歌

わが胸にリンチに死にし友らいて雪折れの枝叫び居るなり(坂口弘)

DAY14 結婚式で読みたい歌

たちまちに君の姿を霧とざし或る楽章をわれは思ひき(近藤芳美)

DAY15 本歌取りの歌

マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや(寺山修司)

DAY16 お気に入りの名歌

疾風はうたごゑを攫ふきれぎれに さんた、ま、りぁ、りぁ、りぁ(葛原妙子)

DAY17 二人の会話で成り立つ歌

羅の女ささめくカジノの夜 “oui, oui”“mais, non”恋も賭けるの(松平盟子)

DAY18 生まれ年の歌

扉(ドア)の向うにぎつしりと明日 扉のこちらにぎつしりと今日、Good night my door!(ドアよ・おやすみ!) (岡井隆)

DAY19 人生について考えさせられる歌

すべもなきわれの弱さよ主の教え並みいる戦友に説かずたちいつ(渡部良三)

DAY20 自分にとってたくさんの意味がある歌

春なればいまひととせを生きんとてふるきみだうにこころあづけぬ(立原正秋)

DAY21 人名の入った歌

ゴオガンの自畫像みればみちのくに山蚕殺ししその日おもほゆ(斎藤茂吉)

DAY22 前向きになれる歌

けふもまたこころの鉦をうち鳴らしうち鳴らしつつあくがれてゆく(若山牧水)

DAY23 全人類が読むべき歌

哀しみは身より離れず人の世の愛あるところ添ひて潜める(窪田空穂)

DAY24 解散してほしくなかったグループの歌

かなたよりスカボロー・フェア聞こえ来つ やさしい人と呼ばるる夕べ(大辻隆弘)

DAY25 亡くなった人の歌

揺すれあふ若葉のなかに汝が声の聞こえほとほと五月は暗し(真井郁子)

DAY26 恋をしたくなる歌

たそがれの鼻唄よりも薔薇よりも悪事やさしく身に華やぎぬ(斎藤史)

DAY27 胸が張り裂ける気分になる歌

烈し日の真上にありて八月は腹の底より泣き叫びたき(山下萩子)

DAY28 声が好きな人の歌

フレディ・マーキュリー死して幾日 We will rock you, I will rock you. (春日井建)

DAY29 子どものころの歌

海恋し潮の遠鳴りかぞへては少女となりし父母の家(与謝野晶子)

DAY30 自分自身を表す歌

さくら花幾春かけて老いゆかん身に水流の音ひびくなり(馬場あき子)


自作・他作を問わず、その日のテーマに沿った歌を紹介する企画です。
30人の歌人が重複しないように選んだので、有名な歌でも外したものがあります。
なお、「DAY25 亡くなった人の歌」は「血のメーデー事件」で亡くなった甥を詠んだ歌人の歌、
「DAY27 胸が張り裂ける気分になる歌」は『いしぶみ 広島二中一年生全滅の記録』に掲載されている「山下明治くんのお母さんの歌」です。
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