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「檸檬」 [文学・童話]

寒の雨黄の柚子ひとつ置かれおり発火装置の危うさを秘め

   100210_yuzu.JPG

家の近所に柚子の木があるお宅があります。
ある日、たわわに実った柚子を全部収穫なさったのですが、
急に雨が降ってきたので急いでいたのか、
ひとつだけ台の上に置き忘れていました。

雨に濡れた果実はそこだけ異質の存在のようで…。

梶井基次郎の「檸檬」を思い出しました。

主人公が京都・寺町の「八百卯」で買った檸檬を
河原町の「丸善」の美術書の上に置く……。
主人公にはその檸檬が爆弾のように思えた、という短編です。

ただ、柚子はレモンのように混じりけのない黄色ではありませんし、
紡錘形でなくまん丸なので、「爆弾」よりは小さなイメージを抱きました。

一気につくったままなので特に下の句の推敲がたりませんが、
京都で学生時代を過ごされた経験のある方が
たいそう懐かしがってくださったのが、とても嬉しい作品でした。
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コメント 4

パピヨン


丸善に仕掛けた檸檬いまもなを 爆発の時待ち我が胸に在り
by パピヨン (2010-02-11 12:54) 

purpure_aster

パピヨンさま

お歌ありがとうございました。
受け取る方によって、詠まれるお歌のこころも違うのだなあと
感慨を覚えました。
by purpure_aster (2010-02-11 18:04) 

パピヨン

ごめんなさい(-.-;)

字数を間違えました。

丸善に仕掛けし檸檬いまもなを爆発を待ち我が胸に在り


ですねo(^-^)o
by パピヨン (2010-02-11 21:24) 

purpure_aster

作歌の際、自分が指折り数えたことがないので
字余りは作者さまの意志だろうと疑問も持ちませんでした。
ありがとうございました。
by purpure_aster (2010-02-11 21:50) 

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