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月月粉(ユエユエフェン) [文学・童話]

李白にも薔薇の詩ありとひとのいふ月月粉のまろきももいろ

   rose_YueYueFen.JPG

ある雑誌を読んでいて、中国の大詩人・李白に
薔薇をうたった詩があることを知りました。

ヨーロッパにはハイネ、リルケ、ボードレール、ブレイクなど
薔薇をうたった詩は数知れずありますが、
中国にバラの詩があるとは思いませんでした。

調べたところ、それは「憶東山」という詩だとわかりました。

不向東山久(東山に向かはざること久し)
薔薇幾度花(薔薇幾度か花さく)
白雲還自散(白雲還た自ら散じ)
明月落誰家(明月誰が家にか落つ)

東山を訪れなくなって久しい。
バラの季節は何度訪れて、花が咲いたことだろう。
白い雲はまた、おのずから散っていったが
名月はどこへ沈んでゆくのだろうか。


この詩にうたわれたバラは、野バラだそうです。

月月粉(ユエユエフェン)は、中国産の淡いピンクのバラです。
オールドローズとはいえ、比較的最近できた品種なので
もちろん李白の時代にあったわけではないのですが、
剣弁高芯でなく、丸い姿がいかにもアジアのバラという感じで……。
時代は違えどつい連想してしまったので、そのままに詠みました。

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